教科書でも採用されているがまくんとかえるくんの「おてがみ」。
幼い頃に読み、心が温まった思い出がある方も多いのではないでしょうか。
現在5歳の子供も、「おてがみ」が入っているがまくんとかえるくんシリーズの本や、その他アーノルド・ローベル作の幼年童話が大好きで、ずっと一人で読んでいます。
幼年童話の読み始めには、とてもおすすめですので、内容やその魅力を簡単に紹介したいと思います。
▼子供を本好きにするための工夫・方法の記事はこちら 我が子は本当に本の虫です。。


アーノルド・ローベルとは


アーノルド・ローベルは、アメリカの絵本作家です。
1933年に生まれ、1987年に他界されていますが、今もなお、ローベルの送り出した本は本当に昔から皆に愛されています。


ローベルの絵本はどれも、多くの動物や生き物が登場して、そこに広がる世界がとても優しい!読んでるだけでほっこりするから、親子で大好きなんだ~。
その中でも一番人気が高く、教科書にも採用されたことから知名度も高いのは「がまくんとかえるくんシリーズ」と言えるでしょう。
がまくんとかえるくんシリーズの魅力
短編集で読みやすく、一人読みのスタートにおすすめ
ローベルの本の多くは、いくつかの話が集まった短編集のようなものであり、がまくんとかえるくんシリーズである「ふたりはともだち」「ふたりはいつも」「ふたりはいっしょ」も、短編集です。
内容は一貫して、がまくんとかえるくんの日常について描いているものなのですが、一つひとつの話は短く、10~12ページで終わります。


一人読みをし始めた子供にとっては、集中力がちょうど持つくらいの長さなんだよね!
内容はシンプルで分かりやすい
内容は、本当に淡々とシンプルな言葉で、がまくんとかえるくんの日常を描いているだけです。
子供にとっては理解しやすく、読みやすい。これも大きな魅力と言えると思います。
がまくんとかえるくんの穏やかな世界 ~子供たちの世界そのもの~
上述の通り、内容は本当にがまくんとかえるくんの日常をシンプルに穏やかに描いているものです。
登場人物も少ない。本当に、そこに広がるのは、がまくんとかえるくんの二人の世界。
奇想天外なファンタジーでもなく、胸をわくわくさせるような冒険物語でもない。
でも、読後感は爽快で、何だか懐かしいような、心が温まるものがある。それはなぜなのでしょう。
それは、がまくんとかえるくんは、まさしく「子供たちの生きている世界」だからだと私は思います。


がまくんとかえるくんは親友です。
ちょっと人騒がせながまくんと、そんながまくんを優しく見守るかえるくん。二人の間にはいつも深い友情があり、お互いのことを大切に思っている節があらゆる場面で表出している。
まずは、読んでいると、その親友のような、兄弟のような、二人の関係にほっこりします。
そして、二人の世界は確かに狭いのですが、きっと子供の目線で見た世界も、良い意味でこれくらいの狭さなのかな?と思うのです。
大好きな友達と自分。もしくは、大好きな兄弟と自分。友達・兄弟との間は日々いろんなことが起きていて、それは大人から見ると「どうでもいいじゃん」と思うような、とるにたらないようなことでも、子供たち(がまくん、かえるくんたち)にとっては至極大切なこと。
目の前で起きていることをまっすぐに受け止め、懸命に考え、行動してみる。
がまくん、かえるくんは、まさしくこの童話を読んでいる子供たちそのものだと思うのです。
とても穏やかで、一見変わり映えのないような日常の中でも、子供たちにとっては新たな発見やチャレンジにあふれていて。その土台には、友達(兄弟)との友情や愛情があって。


子供たちが、がまくんかえるくんシリーズの絵本の魅力にいつの間にか取りつかれるのは、知らず知らずのうちにその世界観に共感し、そこに自分たちの日常を見るからなのかな。
がまくんとかえるくんのシリーズの本
「ふたりはともだち」
教科書に採用されている「おてがみ」が入っています。
他には、「はるがきた」「おはなし」「なくしたボタン」「すいえい」が掲載。
「ふたりはいつも」
ふたりの、春夏秋冬の一年の生活にまつわる話が掲載されています。
「そりすべり」「そのかどまで」「アイスクリーム」「おちば」「クリスマス・イブ」を掲載。
「ふたりはいっしょ」
「よていひょう」「はやくめをだせ」「クッキー」「こわくないやい」「がまくんのゆめ」が掲載。


我が子が、がまくんの「よていひょう」を真似して、自分でも書いていたなぁ(笑)
あと、「クッキー」の”いしりょく”のくだりは大人でもぷっと笑ってしまうよ。
「ふたりはきょうも」
「 あしたするよ」「たこ」「がたがた」「ぼうし」「ひとりきり」を掲載。
教科書に載っている話「てがみ」のあらすじ
ここまで読んできて、「てがみ」はどんな話だったかな?と懐かしくなった人もいると思うので、簡単に紹介します。


がまくんは、手紙を一度ももらったことがありません。手紙が来ないか玄関の前で毎日待っているのですが、その時間が悲しく不幸せな時間であると、かえるくんに話します。
かえるくんは、そんながまくんを喜ばせるために、手紙を書きます。そして、それをかたつむりくんに配達するように頼みます。
そして、かえるくんはすぐにがまくんの家に行き、もうすぐ誰かから手紙がくることを伝え、一緒に待ちますが、いくら待ってもかたつむりくんは届けにきません。
そこで、かえるくんは自分が手紙を書いたこと、その内容は
「親愛なるがまがえるくん。ぼくはきみがぼくの親友であることをうれしく思っています。」
というものであるということを伝えます。
その内容がとてもよいものだったので、ふたりは幸せな気持ちになり、かたつむりくんの配達を待ちました。そして4日後届き、がまくんはとても喜びました。
というものです。
この手紙の内容がド直球で、何回読んでも心が温まります。


そういえば、小学生のころ、この「おてがみ」を国語で習った後は、クラスで手紙ブームが過熱し、出だしは皆「親愛なる~ちゃんへ」だったなぁ。
アーノルド・ローベルの他の本
がまくんとかえるくんシリーズ以外にも人気の本を紹介します。
どれも短編集となっており、一話完結です。読み聞かせにも一人読みのスタートにも最適だと思います。
「きりぎりすくん」
旅にでかけたきりぎりすくんは、途中でいろいろな虫たちに会い、世の中にはさまざまな生き方があるのを知る、心あたたまる作品です。
「ふくろうくん」
おひとよしで、ちょっぴりまがぬけていて、善意あふれるふくろうくんの物語。見事な絵と語り口の、いぶし銀のような絵本です。
「どろんここぶた」
こぶたはどろんこが大好き。ズブッズブッとどろんこに沈んでいくときの、こぶたのうれしさがこちらにも伝わり、子どもたちの共感を呼びます。
「おはなしばんざい」
いたちにつかまったねずみはスープにされそうです。一計を案じたねずみは、スープに入れるとおいしくなる四つの話を考えます。
「とうさんおはなしして」
ねむりたくない子ねずみのために、とうさんは七つのお話をきかせます。ほら話、寓話と内容は多彩で、おおらかなユーモアにあふれています。
まとめ
以上、主にがまくんとかえるくんのシリーズについて紹介しました。
久しぶりに読むと、その穏やかでゆっくり流れる二人の日常に心癒されること間違いないと思います。
そして、お子さんがいらっしゃる方は是非一緒にその世界を堪能していただきたいです。


ローベルの絵本は、大人も子供も楽しめるからおすすめ!
幼年童話のおすすめなどについては、また後日記事にしたいと思います。
以上、どなたかのお役に立てれば幸いです。
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