


STEAM教育って最近よく聞くけど、何のこと?



「科学・技術・工学・芸術・数学」の要素を盛り込んだ教育のことだよ。
オーストラリアの幼稚園で、実際にどんなことをしているか紹介するね♪
海外ではすでに教育の主流となっているSTEAM教育。
日本でも近年、脚光を浴びるようになってきましたが、STEAM教育がどのようなものか、また、どのようなことを実際にしているか、イメージが湧かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、オーストラリア在住で子供が現地校の幼稚園に通っている筆者が、オーストラリア現地校(幼稚園)でのSTEAM教育の事例を紹介していきます!
おうちSTEAMで使える教材・本の紹介も最後にしますので、是非参考にしてみてくださいね♪
海外では主流?STEAM教育とは


STEAM教育とは
まずは、STEAM教育とは何かについて、簡単にご紹介します。
- Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の要素を盛り込んだ教育手法のこと
- 5つの分野を学習し、IT社会に順応&競争力を持つ人材を育てることが目的
- アメリカで2000年代にオバマ大統領が唱えたことから認知が広がる
- 日本でも2019年に文科省がSTEAM教育についてコメントし脚光を浴びるように
簡単に言うと、AI時代に対応できるような、STEAM分野の能力を総合的に兼ね揃えた人材の育成をめざす教育です。
海外ではアメリカでオバマ大統領が唱えてからは注目されており、アメリカ以外にもカナダ、イギリス、韓国、オーストラリアなどを中心に早々に広がりを見せていきました。
日本では、少し遅れて2019年に文科省が中央教育審議会諮問にてSTEAM教育について述べたことで注目されるようになり、まだまだ始まったばかりだと言えます。
それでも、最近では日本でもSTEAM教育の教材や知育玩具なども確実に増えてきており、世界の流れを見ても、今後さらにSTEAM教育は注目されていくことでしょう。
オーストラリアの学校でも取り入れられている
オーストラリアでも、STEAM教育の概念は浸透しています。
子供が通う幼稚園でも、年間カリキュラムの中で「STEAM教育に基づき学習を進める」ことが明記されていました。
そして、それは名ばかりではなく、本当に日々STEAM教育の要素満載のカリキュラムをこなしています。
- 科学・技術・工学に関する実験を行う専門の先生の授業が週に1度ある
- アートや算数には、日常的に触れ合う
- 日々の学習の記録を「STEAMノート」にまとめている
※我が子が通う公立現地校(PreP)の例です。オーストラリアでも州・学校により差があるため、一概には言えません。
オーストラリアでは幼稚園の年長からが義務教育であることもあり、日本の公立幼稚園と比べるとカリキュラムがしっかり決められていると言えます。
ただ、決して机上の詰込みではなく、STEAM教育に親しみ「知的好奇心を刺激するタネまき」であり、子供も毎日幼稚園でのアクティビティが純粋に楽しいようです。
海外でのSTEAM教育の事例~オーストラリア公立現地校での取り組み~
それでは、具体的にオーストラリアの公立現地校(PreP・幼稚園年長)でどのようなSTEAM教育の取り組みをしているか、その事例を見ていきましょう。
【科学+工学】レインウェアの素材は何がいい?


ある学期では、「素材」について学びを深めていました。
その導入の実験としてあったのが、「熊のぬいぐるみのレインウェアを作ろう」というもの。
先生は、レインウェアの素材として、以下を用意しました。
- 新聞
- 画用紙
- 布
- プラスチック
仮説をたてたうえで、それぞれの素材で簡単にレインウェアを作って、水をかけてみたそうです。
そして、「水をはじくor吸収する素材がある」「同じ紙でも水の吸収のスピードが違う」ことなどを学びました。
また、「鉄など他の素材もあるけどレインウェアだから軽い方が良いよね」という話もあり、プラスチックがレインウェアの素材には一番だという結論に皆で至ったようです。
【工学】船を作ろう
船を作ってみようという実験(工作)もありました。
- 何の素材だと浮くか
- 風を受けてスピードが出やすい船はどんな形だと良いか
などを皆で考えて、思い思いの船を作りました。
授業の最後には、上記の動画を皆で見て「自ら動く船の仕組み」の一例を知り、子供達は「こんな船作りたい!」と盛り上がったようです。



ベランダやお風呂でも取り組めるので、おうちSTEAMに持ってこいだね♪
【工学】丈夫な橋を作ろう
クラスで「3匹のヤギのがらがらどん」の劇に取り組んだことがあり、そのときにヤギ達がわたる「橋」を皆で製作していました。
橋を製作する際も、
- どのような素材だと丈夫な橋になるか
- どのような構造だと壊れにくいか
などについて考えて、実際に壊してみる実験などもしたようです。
【工学】丈夫な家を作ろう
また、「3匹の子ブタ」の劇をしたこともあったのですが、そのときには家を作ったようです。
- わら、木、れんがを実際に触ってみて、どれが丈夫か考えてみる
- ブロックや木など好きな素材で、家を作ってみる
などの問いかけ・製作があったようです。



劇だけで終わらすことなく、ものづくりにつなげるところが良いね♪
【科学】天気について学ぼう


天気について学ぶ週もありました。
- 快晴、晴れ、曇り、雨、強風などの言葉の説明
- 実際に空を見て、今の天気を判断する
- 天気についての雑学の紹介(入道雲だと直に雨が降るなど)
日本だと小学5年生の理科で天気について学びますが、子供の現地校では幼稚園年長の時点で簡単に教えてもらったようです。
もちろん子供達は「勉強」という意識で学んでおらず、「遊びの延長」で学んでいるのが素晴らしいなと感じます。
【科学】動物の分類
簡単な動物の分類についても学びました。
今回は、コアラを例にとって学んだようです。
- 動物(哺乳類)ー有袋類ーコアラ科―コアラ
- 生態についても学ぶ(ユーカリを食べるなど)
分類に関する資料がクラスで掲示されているのを見たのですが、私も聞いたことのないような学術的な言葉が書かれていたりして、驚きました…!
【算数】mathゲーム
オーストラリアでは、幼稚園の頃から簡単な算数の概念を学ぶカリキュラムが日常的に取り入れられています。
中でも、すごろくのようなmathゲームは、空き時間によくやっているようです。
足し算をしながらコマを進めるルールで、自然と足し算を学ぶことができます。
【算数】ビスケットを分けるとどうなる?


簡単な割り算の概念も学んでいます。
本物のビスケットが配られて、たとえばそれが8個なら「4人で分けると2個ずつになる」「2人で分けると4個ずつになる」などを学んだようです。
(そして、最後にはビスケットを皆で食べるのがオーストラリアらしいところです…!)
机上の計算ではなく、算数の概念を幼稚園年長の段階から遊びながら学べるのはとても良いですね。
【算数】身近な立体図形を探そう
「3D shape」(立体図形)についても幼稚園で学んでいます。
- 立方体、直方体、円柱、六角柱、円錐、三角錐など立体図形の名前を学ぶ
- 教室の中にある立体図形を探す
日本だと立体図形について学ぶのは小学4年生くらいだと思いますが、オーストラリアでは概念的な部分だけ幼稚園ですでに学びます。
確かに、図形の形に着目するという観点を幼い頃から持つだけでも、身近なものへの見方が変わるように思います。
アートは多様性の上で


日本でも絵画はよくあると思いますが、オーストラリアでもアートは日常的に行われています。
ただ、特徴的だなと感じたのは、多様性を前提にアートをしているということです。
オーストラリアは移民が多い多民族国家であるため、クラスメイトにも様々な人種のお友達がいます。
自画像を描くときは、「お友達を見てみよう。肌の色、目の色、髪の色は誰一人として同じじゃないね」ということを確認しあったうえで、それぞれ好きな色で描き始めます。
「違いを認め合いながらアートをする」姿勢は、オーストラリアならではだなと感じます。
おうちSTEAMのおすすめ教材・本
STEAMについてどんな形であれ家庭でも親しむことができれば、それは立派な「おうちSTEAM」だと思います。
ただ、ある程度道しるべが欲しいなという方にオススメの教材や本をご紹介します。
STEAM教育の通信教材「ワンダーボックス」


STEAM教育の知育といえば、通信教材ワンダーボックス が人気です!
- STEAM教育分野に特化した通信教材
- 対象は、4歳~10歳まで
- デジタル教材とアナログ(キット)の両方が届く
- シンクシンク制作チームの「ワンダーラボ」が手掛ける教材
私もこの教材は気になったので、実家にお願いして、オーストラリアに無料体験だけ送ってもらいましたが、子供達の食いつき◎でした!


特に、以下のような人には、ワンダーボックスはオススメです♪
- 子供の地頭を鍛えたい人
- 子供がSTEAM領域の遊びを好き
- STEAM教育に興味があるが、育児や仕事で教材を探したり一緒にやる時間がない人
教材の内容はもちろん、毎月新しい教材が届くので子供も新鮮で楽しめるので、良いですね♪
詳しくは、下記ワンダーラボの公式サイトで確認してみてくださいね!
工作でわかるモノのしくみ


こちらのシリーズもオススメで、子供達がとても気にいています。
「STEMが学べる工作本」で、モノの仕組みを再現してみるような事例が多いので、機械好きの子供にはたまらない一冊です。
我が家は、これで橋(トラス橋)やレーシングカーを作ってみました♪
内容としては小学校高学年まで十分楽しめるようなものや小学校の自由研究でも使えそうなネタも掲載されているので、長く使える一冊だと思います。
小学館の図鑑「科学の実験」


科学の実験ネタがたくさん詰まった、小学館の図鑑NEO「科学の実験」です。
こちらも、自由研究などにも使えそうなネタが多く、長く使える一冊です。
我が家の子供も、時間があるときにはこの図鑑をパラパラ~と見ては、「これやってみたいな」と感覚的にやりたいものを選び、一緒に取り組んだりしています。
まとめ
以上、オーストラリア現地校(幼稚園)でのSTEAM教育の取り組み事例を紹介しました。
日本では近年注目され始めたSTEAM教育ですが、実は海外ではすでにカリキュラムにSTEAM教育が教育現場で実践されていることを感じ取っていただいたのではないでしょうか。
オーストラリアの現地校での取り組みを見ていると、「机上での勉強」ではなく、STEAM分野に関する「知的好奇心を育む種まき」をうまくしてもらっているなという印象を受けます。
おうちで取り組めることも多いですので、是非参考にしてみてくださいね♪
なお、ここで紹介したのは、実はほんの一部です…!
また今後も、面白い事例があれば随時更新していきたいと思います。




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